より良い世界をつくりだす

産経新聞4/28付梅田望夫さんの論説『信頼を呼ぶ英語圏の実名サイト』を読んだ。
フェースブックというシリコンバレー発未公開のベンチャーが、英語圏の35歳以下の若者たちを中心(※現在5千万人以上の会員数)にSNSの情報交換サイトを展開し、それが高く評価されているという。そこでは、『同じSNSでも匿名参加者中心の日本のミクシィなどと違い、“実名で自己を表現しながら顔を上げて生きる”という欧米英語圏の“力強い文化”が標準化されている点』が“驚異的”であると言う。
ネット空間に光と闇が存在するのは、現実世界に光と闇がある以上むしろ当然であり、『闇の部分が存在する』という理由だけで忌避するわが国の傾向に警鐘を鳴らしておられる。フェースブックは、まさに、関係性すなわち人と人の“間(あいだ)”の可能性を商品として捉えたシリコンバレー精神の真髄を極めた企業だといえる。
ただ、マスメディアの過剰報道はあるにせよ、匿名によるネット犯罪の闇の部分は無視することはできないと感じる。やはり、実名にはリスクが伴うからだ。ネットの伝道師梅田さんのエールが才能ある若者たちに届くには、学校教育の段階から『人と人の関係性』について、真剣に議論し合える環境に整備することも重要ではないかと思う。
とはいえ、梅田さんの考えの根底には、人と人の予期せぬ相互作用が『無尽蔵への扉を開く』というネット空間の潜在力(より良い世界を作り出す力)への確信があり共感を覚える。