細胞のトランスポーターの存在

従来の栄養学においては、自然界にある200種類の単糖の中で、グルコースという単糖さえ摂取していれば、人間は自力で細胞表面のレセプター(糖鎖)を生成すると考えられてきた。

ところが、レセプターという“糖の鎖”が一個の細胞に産毛のように無数に存在している。この膨大な量を、満たすためには気の遠くなるような長く複雑な工程(ビタミン・ミネラルなどを大量に使う酵素反応)が必要なのである。到底グルコース一種類だけでは追いつかないことが判ってきたのである。

それが証明された決定的な実験がある。細胞に必要な数種類の単糖(グルコース以外)が直接、専用のトランスポーターを通って細胞内に吸収されることがわかったのである。しかも、マーカーで印をつけた単糖はそのまま細胞表面のレセプターに使用されることまで判ったのである。
つまり、糖鎖を形成している単糖は直接栄養として吸収する方が、複雑な酵素反応を経てグルコースから生成するよりも余程、自然な身体の摂理と言えるのである。

人間の身体には、糖鎖生成のために使われる“単糖類専用の直接輸送装置”が備わっているのである。このように設計されている以上、8種類の単糖類を人間が摂取することで、健康体が維持でき、病気の人が元の身体に回復するのは当然なのである。

しかし、現代の食生活からは到底8種類のうちの2種類(グルコースガラクトース)しか摂れなくなってしまっている。人体にとって最も大切な栄養素が欠乏しているのである。よって、体内では非常事態宣言が発令しっぱなしの状態なのだ。だから、やれビタミンだ、やれミネラルだ、やれアミノ酸だ、やれコエンザイムだ、やれ酵素だ、やれ核酸だ。というようにサプリメントが必要になってくるのである。グルコース一種類から細胞の糖鎖を生成するには、大量の栄養素が必要になるから当然である。

しかし、あと、6つの単糖類を十分に摂取しさえすれば、これらのサプリメントはほとんど不要になるといわれている。大量のビタミン・ミネラル・酵素補酵素を消費する工程が省かれるからだ。

要は、6つの単糖類をサプリメントとして摂取するしかないということである。